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2009年2月21日土曜日

徒花天中殺 ―皆が意識としてはわかりきってるにも拘らず 蓋をしがちな事柄

資本のメカニズムは大きなネズミ講とも言える。
大きく膨らんではまたさらに大きな膨らみと容に変容して行くイキモノ。


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アカシックレコード「70年周期説---資本主義はネズミ講」 

貧しい国に資本主義が導入されると、国民の生活水準が上がって寿命が延びる。
人口構成が逆T字からピラミッド、逆U字、そして逆ピラミッドになる。
下の人間が少なくなると「年を取れば楽になる」というネズミ講は破綻する運命
にある。

その解決策は、

1.貧しい外国を自国の経済圏に組み込み、
 外国の貧乏人と若者を自国経済圏のピラミッド構造のいちばん「下」に敷くこと
2.革命か戦争で自国を含む各国の国家体制を破壊して、
 すべてを「ご破算」にすること    

それがだいたい70年ぐらいの周期で起こっている。

[資本主義1.0]
英国の産業革命に始まり西洋諸国が次々に生産性の高い工業を展開した。
西欧は安価な工業製品を大量に生産して豊かになったが生産力が過剰になり、
約70年後1836年に恐慌に陥った。

[資本主義2.0]
そこで英国はアヘン戦争(1840)で中国の生産力を破壊し、
自国ネズミ講の「下」に組み入れた。
他の西洋諸国も植民地を拡大し、自国のネズミ講の下に組み入れて過剰生産力の
はけ口とした。

このシステムも第一次大戦(1914-1918)とロシア革命(1917-1922年)で終わったかに
見えたが、欧州復興とともに世界はふたたび過剰生産になり、植民地囲い込み
(保護主義・ブロック経済)と第二次大戦を経てようやく終わった。

第二次大戦は5大工業国による「工業生産力の破壊合戦」である。
5か国のうち米国の工業生産力だけが無傷で生き残り、戦後の覇権が確定した。
米国は自分で他国の生産力を破壊したわけではなく、
わざと参戦を遅らせて欧州の勝者とアジアの勝者を叩いた。

資本主義がリセットされるときの生産力破壊には米軍が直接手を下す「米日型」
「米独型」のほかに、米軍が手を出さない「独英型」「独ソ型」があるということ。

   [生産力叩き合いの図・第二次大戦]

     米国----------覇権確定
    ↓  ↓
   日本 ドイツ  
      ↓  ↓
     ソ連  英国----覇権喪失

[資本主義3.0]
それから63年経った2008年9月、米名門投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻して
金融危機が始まった。

しかし米国の政財官界が愚かだったからサブプライムローン問題が生まれたのでは
なく、もはや「だれがやってもダメなものはダメ」な時代に突入したからそうなっ
たのではあるまいか。
資本主義が両者ともに「正ピラミッド型」が続くこと(末広がり)を前提にしたシス
テムである以上、人口が頭打ちになればネズミ講は機能しない。

1930年代の日本も同じ。元々「下」に敷くべき広大な国土や植民地を持たない日本
では、いくら選挙で政権交代をしてもうまく行くはずはなく、不況に直面した国民
の不満はなかなか解消しない。

そこで「もう議会制民主主義や政党政治は役に立たない」と見切りを付け、社会主
義革命を夢見たり、政党政治家を排除して軍部主導の政権を作ろうと考えたりする
者が出て来た。
それが1931年の満州事変、1932年の「5.15事件」、1936年の「2.26事件」。

[資本主義4.0]
アメリカが大恐慌から脱出したのは、ニューディール政策ではなく
「世界大戦という公共事業」のおかげ。
だからオバマのグリーン・ニューディールで不況から復活できるわけがない。

戦争によってライバル国の生産力を破壊し、
その戦後復興事業をなるべく自国企業に排他的独占的に受注させ利益を上げる。
同時にライバル国が回復しすぎないように制御する。
これがアメリカが日独に対して行った「ネズミ講リセット」の方式。

インドと中国は「これ以上成長するな」という欧米先進諸国の警告を
第二次大戦前の日本のように無視したのだから


インドと中国。毛沢東派の軍事クーデターで中国色が強くなったかに見えるネパールと兄貴分とも言えるインドの関係性。
商産業分野で競合する部分が多い双方。
そこに息絶え絶えにも拘らずジャブジャブな財政出動のコックを緩めない大国アメリカとのトライアングル。
毎度おなじみの白のジョーカーたる役どころのパキスタン。

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