(一) 至上者(バガヴァーン)クリシュナ語る「わたしはこの不滅のヨーガを太陽神ヴィヴァスヴァーンに教えた 彼はそれを人類の父マヌに教え マヌがイクスワーク大王 に教えたのである
(二)
この無上の学問(みち)は このようにして師弟継承の鎖によって伝えられ聖王たちはこれをよく会得していたが時代とともに鎖は切れ人々はその真義を見失った
(三)
太古の昔よりあるこの学問(みち)を神と人との関係を説く無上の学問をわたしは今日 わたしの信愛者(バクタ)にして友なる君に語る君はこの人智を超えた神秘を会得できるのだ」
(四) アルジュナ問う
「太陽神ヴィヴァスヴァーンが生まれたのはあなたの誕生よりはるかに昔のことあなたが彼にこの学問を授けたとはいったい どのように解釈すればよいのですか?」
(五) 至上者こたえる
「滅敵者アルジュナよ わたしも君も何度となくこの世に生まれて来たのだわたしは全部(すべて)を おぼえているが君は前生のことを何も知らない
(六)
わたしは生まれることなく死ぬことなくわたしの体は常恒不変であるわたしは全ての生物の至上主(イーシュワラ) だがどの時代にも原初(もと)の姿で出現する
宗教(ダルマ)が正しく実践されなくなった時、反宗教的な風潮が世にはびこった時バラタ王の子孫 アルジュナよわたしは何時何処(いつどこ)へでも現われる
(八)
正信正行の人々を救(たす)け異端邪信のともがらを打ち倒し正法(ダルマ)をふたたび世に興すためにわたしはどの時代にも降臨する
(九)
わが顕現と活動の神秘を理解する者はその肉体を離れた後にアルジュナよ再び物質界(このよ)に誕生することなくわが永遠の楽土(くに)に来て住むのだ
(一十)
執着と恐怖と怒りから離れ全てをわたしに任せ わたしに憩(いこ)い依(たよ)って過去より数多(あまた)の人々はわたしを知って清浄となりことごとく皆わたしの処(もと)に到(つ)いたのである
(一一)
わたしに身心を委(ゆだ)ねた程度に応じてわたしは人々に報いるプリターの息子よすべての人々は様々な方角からわたしへの道を進んでいる
(一二)
世の人々は仕事の成功と果報を求めてさまざまな神々を拝んでそれを願う、このようにして働けば速くたやすく物質界の果報は得られるのだ
(一三)
自然界の三性質(トリグナ)とカルマに応じてわたしは人間社会を四つに区分したこの四階層(カースト)はわたしが造ったのだがわたしは全ての行為を超越している
(一四)
わたしはどんな活動にも影響されずそしてどんな結果も望んでいない わたしについてのこの真理を知る者は仕事に縛られず その結果にとらわれない
(一五)
古来より自由 になった者たちはすべてこの真理を理解して活動したゆえに君も先覚者たちを見習ってこの聖なる意識で義務を遂行せよ
(一六)
活動(カルマ) とは また無活動(アカルマ)とは何か賢明な者でもこれを定義するのに迷う今わたしはここで活動とは何かを説明するこれを知って君はあらゆる罪から離れよ
(一七)
活動(カルマ)の諸相は まことに複雑 神秘でありこれを理解することは難しい だが人は活動(カルマ) 誤活動(ヴィカルマ) 無活動(アカルマ)について正しく学ばなければならない
(一八)
活動のなかに無活動を見、無活動のなかに活動を見る人はたとえどんな種類の仕事をしていても相対世界を超越した覚者である
(一九)
すべて欲望を持たずに行動する者は完全智を得た人と心得よ賢者たちは そのような人々を大智の火で業(カルマ)を焼き尽くした人と呼ぶ
(二十)
仕事の結果に全く執着しない人は常に楽しく 自由自在であるあらゆる種類の活動をしてしかも無活動 無業報 である
(二一)
このような英智の人は精神を完全に統御して“我所有(わがもの)”の観念が全く無い肉体を維持するに足るだけ働きしたがって悪業報を全く受けない
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